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プロフィール
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト
Fritz Joseph Bittenfeld
Flits yosef
所属:銀河帝国
階級:提督
生年月日:帝国暦458年2月29日
搭乗艦:王虎(ケーニヒス・ティーゲル)
声優:野田圭一
  


フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトFritz Joseph Bittenfeld、帝国暦458年2月29日-)は、銀河英雄伝説の登場人物。

概要 編集

ローエングラム陣営の主要提督の一人で、黒一色に塗装された「黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)」と呼ばれる宇宙艦隊を率いる猛将。「獅子の泉の七元帥」の一人。乗艦は王虎(ケーニヒス・ティーゲル)。副官はディルクセン。主な幕僚はハルバーシュタット(艦隊副司令官)、グレーブナー(参謀長)、オイゲン(副参謀長)等。ほか麾下の提督として、OVA96話において無茶な命令に愕然とするマッシュルームカットの准将と顎鬚の准将が登場している。

略歴 編集

時系列上の初登場は第6次イゼルローン攻防戦の前哨戦。この時はミューゼル艦隊に所属する戦艦「ヤクト・ティーゲル」の艦長(大佐)で27歳。1隻で2隻の艦を巧妙に葬り去った事でラインハルトの注目を浴びた(このとき彼の副官を、後に副参謀長となるオイゲン大尉が務めている)。ラインハルトが開設した元帥府に当初から登用され、1個艦隊を指揮する事となる(道原かつみのコミック版では、当初は主だった武勲の無いキルヒアイスに負の感情を抱いており、それゆえ元帥府に参入する事を渋っていたというエピソードがあり、物語上、キルヒアイスがカストロプ動乱を平定して武勲を得る必要性を補強していた)。

アムリッツァ会戦(及びその前哨戦)では2艦隊を撃破する功績をたてたが、ヤン・ウェンリー第13艦隊に反撃され、戦力を削がれて同盟軍をとり逃がす原因を作った。しかしそれ以降はランテマリオ会戦マル・アデッタの会戦シヴァ星域の戦いなど、数々の戦いで功績を上げ、帝国の勝利に貢献している。

能力 編集

指揮官としては非凡な能力を有している。「猛将」と言われている通り、攻撃力と破壊力には定評があり、その猪突猛進ぶりから最終局面にとどめを刺す役として起用される事が多く、「帝国軍の呼吸する破壊衝動」とまで言われている。しかし、守勢に脆く、最初の突撃を持ち堪えられると後が続かないという弱点も併せ持つ。その為、アムリッツァ星域の会戦及びその前哨戦でウランフの第10艦隊とアップルトンの第8艦隊に勝利したものの、態勢を崩してヤンの第13艦隊に壊滅的なダメージを与えられた事がある。また、アッテンボローの挑発に乗せられ、回廊の戦いの前哨戦で大敗を喫しファーレンハイトを戦死させるなど、失敗が多いのは確かである。

ただし、多くの場合はその攻撃力が効果を発揮しており、上記の通りアムリッツァ会戦では同盟軍の名将と呼ばれたウランフアップルトンの二人の中将を戦死させ、ランテマリオ会戦マル・アデッタの会戦の終盤において、言わば決定打としてビュコック率いる同盟軍の戦力を壊滅させている。更に回廊の戦いではフィッシャーを、シヴァ星域の戦いではメルカッツを戦死に追い込んでいる。失敗ばかりしているという負のイメージが付き纏い、回廊の戦いではそれを痛烈な挑発としてアッテンボローに利用されているが[1]、実は帝国軍の提督のうち、もっとも多くの同盟軍提督を戦死させており、ヤン艦隊に一番ダメージを与えたのもビッテンフェルトであるとされている。功績と失敗が共に大きく、敵にも味方にも大きな損害を出すのがビッテンフェルトの指揮官としての個性と評されている。

また、かつてロイエンタールは、自分が攻守のバランスに問題のあるビッテンフェルトと戦っても序盤は譲るものの最終的に勝てる、と評をした事があるが、第2次ランテマリオ会戦で実際に戦った時は、その破壊力に手こずり、認識を改めていた。

指揮する艦隊は黒一色に塗装された「黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)」。極めて精強な艦隊で、宇宙最強とも評される。部下にも司令官の色に染まった猪武者が多いと言われる(例外は副参謀長のオイゲン)。作中では甚大な損害を被るシーンが度々描写されるが、実際に損害が戦果を上回ったケースはアムリッツァ会戦でヤンと対峙した際、回廊の戦いの緒戦の2度だけであることが、この艦隊の持つ桁外れの攻撃能力を示している。

艦隊指揮能力とは別に、道原かつみの漫画版などでは格闘能力も高い描写が見られ、当初キルヒアイスがラインハルトの側近であったことを不満に思い、ラインハルト立会いの元でのキルヒアイスとの決闘を企図した事もあり、この時ラインルトを襲撃したベーネミュンデ侯爵夫人の差し金と思われる刺客をビッテンフェルトは素手で倒している(と同時に刺客を撃退したキルヒアイスに対する評価も変えている)。小説版やOVA版では新領土総督となったロイエンタールの招請を受けた際の随員を選ぶさいに、「ロイエンタールと取っ組みあいの喧嘩になるならビッテンフェルトを連れて行ったであろう」と評されている。

ランテマリオ星域会戦においては、華々しい戦果を挙げた前線部隊ではなく、後方の病院船が最高の手柄を立てたとラインハルトに報告している。その後帝国軍全軍において病院船の重要性が見直されることになり、同僚はビッテンフェルトの意外な面に驚く事となった。おそらくこれは、戦術においては攻撃一辺倒であるがゆえに、その猪突を支える後方部隊の重要性を誰よりも熟知していたものと思われる。

この逸話からわかるとおり基本的に猪突猛進であるが戦術眼はあり、滅びの美学で一騎打ちを申し込んだフレーゲルを無視したり、アッテンボロー艦隊を相手に距離を保って戦う(アッテンボローに言わせれば「えせ優等生ぶり」)など合理的な行動をとることもできる。ただし後者については本心から距離をとっているわけではなく、短気を起こして突進しようとするのを理性によって制御しているだけである(そのため、自制が長引くことで「えせ優等生ぶりが限界に達し」て、突撃をかけようとしたことがある)。同盟軍のグエン・バン・ヒューに似ていると言われるが、意味のない戦いを仕掛けて自滅することがない点でグエンより一段能力の高い人物とされている。なお、ラインハルトからの評価は意外に高く、第六次イゼルローン攻防戦の際には「猪突猛進に見えるが、じつにいいタイミングで、いいポイントを衝く。」と激賞した。

幕僚会議や上級大将同士の会話の中でしばしばビッテンフェルトらしい勇ましい発言、強攻策を提案し、その一見短絡的ともとれる主戦論は他の上級大将たちに論破されてしまうことが多く、戦略全体を見通す能力は幾分劣るものと思われるが、「戦いを嗜む」と評されるラインハルト率いるローエングラム陣営においてその強硬論はあながち的外れとも言えず、彼の案がそのまま、あるいは一部修正されて採用される事も多い[2]

人柄 編集

  • 髪の色はオレンジ。筋骨隆々とした胴体の上にやや不釣合いな細面の顔が乗っている。ラインハルトの配下で最も武人らしい提督と言われている。
  • 粗にして野だが卑にあらず」をそのまま具現化したような人物で、口も悪いが、奇妙に邪気がなく、部下には慕われている(ただし、怒ると味方でも撃つようなイメージをもたれている)。「人を褒めるときは大きな声で、悪口を言うときにはより大きな声で」がモットーであり「家訓」でもあるらしい。
  • 同僚の諸提督の中でも際立ってオーベルシュタインを毛嫌いしている事を示す発言が多く、物語終盤では、ハイネセンとイゼルローン軍に対する戦略の是非についての見解の相違から生じたオーベルシュタインのラインハルト批判に対して暴力で対応した。ラインハルトの裁定が下るまで謹慎を命じられたが、その時部下が仲裁と謹慎解除を求めて必死に走り回り、ワーレン等の感銘を誘った(ワーレンはその後、ラインハルトの死期が迫った際、「お前の鎮静剤じゃない」「俺たちを巻き込むな」と感情を露にするビッテンフェルトに怒っている)。
  • メックリンガーとの口論の場面では、メックリンガーに「」と評された(聴かせるにはジャッカルが作った曲で十分と吐き捨てている)。同じくメックリンガーには「ハイネセンの火祭り」の際、避難を拒むラインハルトを避難させたことについて、美術品に興味がないからラインハルトを迅速に避難させることができた、とその功績を認める形で美術品に一切興味を持たないことを皮肉られている。
  • 回廊の戦いの時にヤン艦隊に降伏勧告を行った時は、降伏勧告というより果たし状に近い内容[3]を見たフレデリカから「喧嘩を高値で売りつける才能がある。」と評された。
  • 作者の田中芳樹は、「死ぬ予定だったのに作者の魔の手を逃れて最後まで生き残った人物の一人」として、彼の名前を上げている(もう一人はオリビエ・ポプラン)。また田中芳樹はビッテンフェルトを「戦いの無い平和の時代では大久保彦左衛門になるだろう」と評している。
  • OVA版では真面目な性格の人物が多い帝国軍の中で数少ないコメディリリーフ的な描写が時折なされている。また、手柄を欲しようとする場面が多く、他艦隊から煙たがれる時もある。

参考 編集

  1. 「回廊の戦い」に先立ち、ビッテンフェルトがイゼルローン要塞に立て籠もるヤン一党に対して挑発的な降伏勧告を行ったところ、アッテンボローが意趣返しとして書き起こした「連年、失敗続きであるにも関わらず、そのつど階級が上昇する奇蹟の人ビッテンフェルト提督へ…」という返信内容に激怒し、ラインハルトの許可を得ずに戦端を開き猪突してしまったが為に帝国艦隊に看過し得ぬ損害を与えてしまった事を指す。
  2. ラインハルトに同盟領への再侵攻を決断させたのは彼の「座して歴史に動かされるのを待つおつもりですか?」という発言で、彼の強硬策が文字通り歴史を動かした。
  3. 「かつての自由惑星同盟軍『随一』の将帥から、いまや共和主義者の残党どもの『唯一』の将帥となったヤン・ウェンリー氏に…」という書き出しから始まる相当に辛辣な内容の降伏勧告であった。これを見たヤンは、フレデリカの「同盟に生まれて政治家になっていればよかったのに。」という発言を受け、「ヨブ・トリューニヒト氏との舌戦が期待できたのに、かい。だとしたらビッテンフェルトを応援するだろうな。」と思いを馳せ、アッテンボローは「文学的感受性とは無縁の文章ですな。」と冗談交じりで評している。

関連項目 編集