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プロフィール
ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ
Hildegard von Mariendorf
Hildegald fon
所属:銀河帝国
生年月日:帝国暦468年
性別:女性
配偶者:ラインハルト・フォン・ローエングラム
家族:長男:アレクサンデル・ジークフリード
声優:勝生真沙子
  


ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ(テンプレート:Llang)は、銀河英雄伝説の登場人物。

最終的なフル・ネームはヒルデガルド・フォン・ローエングラム。ただし本編(新書版)全10巻のうち9巻までヒルデガルド・フォン・マリーンドルフという名であり、こちらの方が使用頻度が高かった。なお、物語全体では、ファースト・ネームを略したヒルダという通称も数多く使用されている。また、ラインハルトや帝国の登場人物からは「フロイライン(お嬢さん)」、「フロイライン・マリーンドルフ」と呼称される事も多かった。

概要 編集

マリーンドルフ伯フランツの長女。ラインハルトの首席秘書官。後に幕僚総監に転身するが、ほどなくラインハルトと結婚、アレク大公を出産して国母となる。ラインハルトの死後は息子の摂政となり「ローエングラム朝の育ての親」と評された(産みの親はラインハルト)。

略歴 編集

帝国暦468年生まれ。19歳の時に父親がマクシミリアン・フォン・カストロプに拘禁され、キルヒアイスに救い出された事で、ローエングラム陣営と繋がりが生じる。20歳の時、リップシュタット盟約に参加するかどうかで悩んでいた父親に、ローエングラム陣営に与する事を主張、自らラインハルトの元帥府に出向き、家督と財産の保護と引き換えにラインハルトに忠誠を誓う。リップシュタット戦役の終了後、帝国宰相リヒテンラーデ公爵がラインハルトの排除を策していることを超光速通信で知らせている。

翌年、ラインハルトの帝国宰相首席秘書官に登用され、キルヒアイスを失ったラインハルトにとっての政戦両略の相談相手となる。似たような立場に居るオーベルシュタインが「義務」という枠から一歩もはみ出さないのに対し、ヒルダはプライベートに至るまでラインハルトを支え続けた。ラグナロック作戦時には中佐待遇(おそらく帝国軍創設以来初の女性士官であり、通常の佐官の軍服とは細部が異なっている)で従軍し、その智謀をもってラインハルトの生命の危機を救っている。

ラインハルトの登極とともに皇帝主席秘書官に階位を進める。新帝国暦1年7月6日、従姉弟のハインリッヒ・フォン・キュンメルキュンメル事件を起こし、国務尚書となった父親と供に数日間の自主謹慎となるが、ラインハルトの命令で咎め無く復帰する。同2年、回廊の戦いで大本営幕僚総監のシュタインメッツ上級大将が戦死し、その場で中将待遇で第2代大本営幕僚総監に任命される。

新帝国暦2年8月29日、戦没者墓地の完工式でヴェスターラントの虐殺の遺族と名乗る男が、ラインハルトの暗殺を謀った。事件は未遂に終わったが、ラインハルトがその男の言葉にショックを受けた様子を表していた。それを心配したヒルダは、その夜、様子を見にラインハルトの部屋を訪ね、帰らないで欲しいという願いを受け入れた。翌朝、朝帰りをしたヒルダの元にラインハルトが求婚に訪れ、それを父親から聞かされたヒルダは10日ほど出勤出来なかった。復帰した後も、途方にくれるラインハルトに対して返答が出来ないままでいたが、旧同盟領への行幸前夜の会話で改めてラインハルトの純朴さを感じ、求婚受諾を決意した。

同2年11月、ウルヴァシー事件から帰還したラインハルトにラングの罪を告発したケスラーの報告書を見せた後、妊娠している事に気が付いたヒルダは、12月30日、その事実と求婚の受諾をラインハルトに告げた。翌3年の新年パーティーでそれが報告され、同29日、ホテル・シャングリラのパーティー会場で結婚してローエングラム王朝初代皇后になり、それに伴って大本営幕僚総監の職務をメックリンガーに譲った。

出産予定日は6月10日前後だったが、5月14日、仮皇宮の柊館が地球教徒に襲撃され、そのさ中に陣痛が発生、テロが鎮圧された後に急遽病院に搬送され、同日22時50分、後にアレク大公と呼ばれることになる男子を出産した。

同年7月26日、夫のラインハルトが崩御。第2代皇帝であるまだ幼い我が子の摂政皇太后となった。ラインハルトの遺言により、彼女の名において6名の上級大将は元帥に昇進し、既に元帥だったミッターマイヤーは「首席元帥」の称号が与えられる。原作小説の記述から、その後亡きラインハルトの路線を継承し発展させていったものと思われる。

能力 編集

客観的で合理的、ローエングラム王朝の関係者の中では、あるいは随一ではないかと言われる程の政治センスを持ち、さらにそれを最大限に生かすしたたかさを有しており、ウォルフガング・ミッターマイヤー曰く「一個艦隊の武力に勝る智謀」と評されるほどである。銀河帝国、特にゴールデンバウム王朝はかなりの男性優位社会であり、彼女も旧王朝のままだと自らの類まれな才能を十分生かせずに終わった可能性も十分にある。そのような中で彼女はラインハルトと出会い重職に登用された。なお、外伝「千億の星、千億の光」において、ヴェストパーレ男爵夫人に「あなたが男なら、いずれ国務尚書ぐらい簡単に務まるのにねえ。それとも軍隊にはいって軍務尚書かしら」といわれるシーンがあり、周囲からはその才能を惜しまれていたことを伺わせる。

リップシュタット戦役の際に父のフランツにローエングラム陣営に与すべきを進言して自らラインハルトと交渉に当ったのを最初に、要塞対要塞戦や幼帝誘拐事件などで、的確だがラインハルトには耳の痛い意見をしばしば進言している。また、イゼルローンが再占領されて、ラインハルトや帝国軍の諸提督がヤンビュコックの連携という疑心暗鬼に捉われている時は、ただ一人その疑念を明確に分析/否定した。

その他様々な進言/策謀を考え実行しているが、中でもラグナロック作戦中のバーミリオン会戦で双璧を説得して同盟の無条件降伏を勝ち取り、ラインハルトの危機を救った事が、ローエングラム王朝成立に最も貢献した智謀だとされている。戦術家としてあえてヤンと対等の勝負を望んだラインハルトが、その自分の欲求に基づく作戦を立てた事に危機感を覚えての、独断専行であった。バーミリオン星域会戦の勝者がどちらであったのかは「後世の歴史家」の意見も分かれる所であるが、個人の手柄を考えれば「ヒルダの勝利」と言うべきであろう。その意味では「不敗」のヤン・ウェンリーに実質的な意味で唯一勝利した人物ともいえる。

上記の通り、精神面・感情面の分析能力に大変優れており、それがため帝国の中で最もヤンの性格や気質を把握し、かつ評価していたと言われている。オーベルシュタインの草刈りが帝国軍首脳に対立を生じさせていたとき、異種の思考を持つ者の存在について、オーベルシュタインではなくヤンの様な人間に担当してほしかったと考えている様子が描かれている。

ただし、これは彼女に限らず人間誰にでも言える事であるが、他人の心理を測るには大変優れていても、自分自身の心理は把握できていなかったようで、ラインハルトに求婚された際には、激しく動揺している。

人柄 編集

基本的に温厚な性格だが強靭な精神力も有している。オーベルシュタインと一対一で対峙した時も全く怯まず意見を述べる場面がある。また、ラインハルトがしばしば見せるヒルダに対する八つ当たりじみた感情の激発に対して、許したうえにラインハルトを心配するという寛容な度量も有している。

恋愛遍歴は皆無で、父マリーンドルフ伯爵にも危惧されている。しかしラインハルトの何気ない「フロイラインには常に余の傍らに居てもらわねば困る」という言葉に、反射的に求愛されることを連想するなど、ラインハルトよりは普通に近い恋愛観を持っている。不器用極まりない求婚しか出来ないラインハルトの欠点を許容する(というよりも、その生真面目さ・真剣さこそ好きになる)という恋愛感情の整理を経て、求婚を受諾した。

広い視野と卓越した分析力があるが、主君たるラインハルトに対しては、その感情を汲んで従うのでなく、むしろ彼の感傷的気質を否定し、機嫌を損ねる事を承知で諫言するという面も持っている。その典型がバーミリオン会戦でのラインハルトの危機を救ったハイネセン占領の知略であり、ラインハルトはその正しさを認めつつも、遊び場を取り上げられた子供の様な言動を表している。同様に、回廊の戦いに先立って、ラインハルトがヤンと同じ戦力で戦いたいと言った時、戦闘回避の口実として、それならばその戦力が整うまでヤンに時間を与えるべきと進言し、ラインハルトを不機嫌にさせている。この件については、ヒルダ自身ラインハルトが戦うことによってのみ心を満たされる状態に陥っていることに対して本気で心配している、という理由が考えられる。単なる秘書官の職務上の義務を超えるものであるが、ラインハルトと出会った頃から無意識下で「女としてラインハルトを愛している」と解釈すれば辻褄は合う。

小さい頃は他の貴族の子弟が興味を持つ様な趣味や話題に一切近づかず、野山を駆け回っていた。そういった性格から、亡き母親を通じて知り合ったマグダレーナ・フォン・ヴェストパーレ男爵夫人とは気が合っている。第6次イゼルローン攻防戦の直前、ヒルダと町で出会ったマグダレーナは、恋人のいないヒルダに対して、近々彼女に相応しい男(ラインハルト)を紹介すると述べているが、実現には至っていない。

家族 編集

母親は物語開始前に死亡。家令のハンス夫妻や使用人を除けば父親と二人暮らしだった。結婚後は夫のラインハルトと長男のアレク大公がいたが、3人一緒になったのは新帝国暦3年7月18日~26日の8日間のみ。

その他エピソード 編集

小説版ではキルヒアイスとは対面が果たせなかったが、OVA版ではカストロプ動乱が終結した際に対面している(具体的な会話があったかは不明)。

結婚当初は互いに「ヒルダ」「ラインハルト」と呼び合おうと努めたが(アンネローゼの助言もあったものと思われる)、すぐにラインハルトはヒルダを「皇妃(カイザーリン)」と呼ぶようになり、ヒルダもラインハルトを「陛下」と呼ぶようになった。もっとも、仕事を通じて知り合った夫婦が新婚時に、つい肩書きなどで呼び合ってしまうのは、よくあることであるが(同盟軍のキャゼルヌも結婚当初は妻のオルタンスから階級で呼ばれたことがある)、この夫婦には家族になるための時間が与えられなかった。

ただしラインハルトは趣味など皆無の人物であり、政治と軍事が彼の全てであった。ヒルダに政治や軍事の相談をするのは、不器用なラインハルトなりの妻に対する甘えであったかもしれない。ユリアンに対してラインハルトは「皇妃は余よりはるかに政治家としての識見に富む」と言っているが、それはラインハルトにとって最大ののろけではなかったかと、ユリアンは述懐している。

ギャラリー 編集

関連項目 編集